今回も引き続き、獣医師 徳永先生にご協力いただき、「新型コロナウィルスの最新情報」「蒸し暑い季節での愛犬愛猫の健康管理」についてお話いただきました。
マハロ・ワークス株式会社代表取締役
リライフアニマルクリニック院長 徳永 秀先生
※2019年11月16日開催のレジーナドッグクラブ会員感謝祭イベントに
ミニアトラクションお口とごはんの相談会セミナーとしてご出展
マハロ・ワークス株式会社
運営している福岡県動物病院「リライフアニマルクリニック」
「Dr.WANDEL」公式サイト(徳永先生が開発した犬用デンタルジェル)
≪RDC会員感謝祭イベントにてご協賛いただき、ご来場のお客様よりご好評いただきました商品です。≫
蒸し暑い日が続いていますが、皆様と大切なご家族はお変わりなくお過ごしでしょうか?
引き続きペットにおける新型コロナウイルスに関する情報をお伝えしますが、今の蒸し暑い季節には気を付けなければならない事が沢山ありますので、そちらも併せてお伝えします。
前回同様、人間の医療の情報が先行しているため、動物に関する情報は少なく、遅れて出ることが多いです。
そのため今回のお知らせはアメリカ農務省の6月2日時点での発表やアメリカ疾病予防管理センター(CDC)の確認された情報に基づいているため、現在の新型コロナウイルスの状況と多少づれがある事をご了承ください。
また、未知のウイルスであることもあり、今後の情勢により内容が大きく変わる可能性もあります。
<新型コロナウィルス最新情報>
※2020年6月2日時点での情報
アメリカ農務省が6月2日に発表した内容によると、アメリカニューヨーク市のジャーマン・シェパードが、新型コロナウイルスの検査で陽性だと診断されました。
犬が新型コロナウイルスに感染したと正式に確認された事例は、アメリカ国内で初めてのことです。
今回感染が確認されたジャーマンシェパードには呼吸器の症状が確認されたものの、完治する見込みだといいます。
今回も新型コロナウイルスに感染したペットオーナーから犬に感染したと考えられ、現時点ではペットから人間に新型コロナウイルスが広まるという証拠ないとされています。
今回新型コロナウイルスに感染が確認されたと確定したのは、民間の動物研究所での検査で陽性と診断され、アメリカ農務省管轄の国立獣医研究所での検査でも陽性とされたためです。
今後動物における新型コロナウイルス感染を確定させる標準的な手順として、民間と国立研究所での二重検査が実施されると考えられます。
アメリカ農務省の追加情報として、今回陽性だったジャーマンシェパードと同じ家で飼われている別の犬は新型コロナウイルス陰性だったものの、体内に抗体があったため、以前に感染していた可能性があると結論されています。
アメリカ国内で新型コロナウイルスが陽性と確認された動物は、犬1匹、猫3匹、トラが5頭、ライオンが3頭とされていますが、アメリカ獣医師会が確認した中でも全世界でペットへの感染は20匹未満のため、ペット間での感染拡大及びペットから人間への感染リスクは低いと考えられます。
依然として人間からペットに新型コロナウイルスを感染させてしまう可能性が一番高いため、皆さんには引き続き手洗いうがいの徹底、マスクの着用、3密の回避等にご協力をいただきご自身の安全を守っていただくことが、大切な家族であるペットを守る一番の手段といえます。
アメリカ獣医師会もCDCも、症状が表れていないペットの検査をすることは推奨していません。
また日本の動物病院では新型コロナウイルスの検査を実施できる所は現在確認されていません。
もしもペットに新型コロナウイルスの症状が表れているようなら、難しいかもしれませんがパニックにならずに、地域の家畜衛生保健所もしくはかかりつけの動物病院にまずはご相談ください。
また今回は、今の蒸し暑い季節に大切な家族であるペットについて、気を付けていただきたいことを下記に記載させていただきますので、ご参考になさってください。
≪蒸し暑い季節での愛犬愛猫の健康管理≫
①暑い季節で晴れた日の散歩は、日の出前と日の入り1時間以降にしましょう。
特にアスファルトの散歩コースでは、日中アスファルトに吸収された熱で、
ワンちゃんにとって体調不良を起こす可能性があります。
②室内室外に関わらずワンちゃんネコちゃんのマダニ予防をしましょう。
気温が高くなると特にダニやカが活動します。
マダニの予防は、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の予防にもつながります。
③草むらや山などのマダニがいそうな場所では、長袖、長ズボンを着用して
噛まれないようにしましょう。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は新型コロナウイルスの話題で
あまり報道れていませんが、人間に感染した場合、対象治療しか方法がなく、
西日本を中心に現在も亡くなられている方々がいます。
④特に持病がある子は、かかりつけの動物病院での定期健診を欠かさず行いましょう。
何か普段見られない症状が出た場合は、すぐにご相談ください。
急に蒸し暑くなる季節のため、耳や身体の皮膚病、嘔吐下痢などの症状が出る
ワンちゃんネコちゃんが多くなり、心臓や呼吸器等に持病がある場合は急に悪化する
場合があります。
⑤暑い日はご自身が留守にされる時も冷房をつけ、いつでも水分補給ができるように
新鮮なお水を用意してあげてください。
老犬老猫で多いですが、脱水傾向になる場合が多い季節です。
⑥水をあまり飲まないという場合は、今の季節だけ缶詰フードの割合を増やしたり、
お腹の具合を見ながらキャベツなどのゆでた野菜を加えるというのも良いでしょう。
特に室内で日当たりが良い場所で寝たり休んでいることが多いワンちゃんネコちゃん
は、注意が必要です。
⑦ワンちゃんネコちゃんとお出かけされる場合は、出来るだけ自家用車で、休憩と水分
補給はこまめに、社内温度に気を付けましょう。
ご家族以外の方と距離を保てる3密を避けた場所を選ぶようにしましょう。
⑧体調がすぐれない場合は外出を控えましょう。
厚生労働省や各自治体等がアナウンスしている感染拡大を防ぐよう、
各自が務めることが新型コロナウイルス終息を早め、
大切なご家族を守ることにつながります。
新型コロナウイルス対策でもそうですが、かからなくてよい病気リスクを無くすことで、ワンちゃんネコちゃんの不要不急の外出を避けられるため、大切なワンちゃんネコちゃんの健康を守るために、予防をしっかり行うことが重要です。
また何度もお話して申し訳ありませんが、今回の新型コロナウイルスは無症状の方も多く、人間から犬猫に感染させてしまうリスクが非常に高いです。
治療法や予防法が確立されていない現在、非常事態宣言が解除されたり状況が変わってくると思いますが、6月の抗体検査でもほとんど抗体が認められていないため、奇跡的にあまり新型コロナウイルスが日本国内で広がっていない状況と考えられます。
ワクチンや治療法が開発されるまでの期間は特に、皆様には引き続き予防意識を高めていただければと思います。
皆様にとっても不自由だったりご不安だったりすると思いますが、デマや不確かな情報に惑わされず、大切なご家族やワンちゃんネコちゃんを守れるよう、健康管理や手洗い・うがい等の感染症対策に気を付けて、この非常事態を一緒に乗り越えていきましょう。
当院もより厳密な感染症対策を実施しながら、病気で治療を継続している動物達がいますので、出来るだけ通常通りの診察を続けていきます。
ご不安な事がある場合は、当院やかかりつけの動物病院にご相談くださいね。